ド・ケルバン病とは
ド・ケルバン病とは、手首に起こる狭窄性の腱鞘炎です。
手首の長母指外転筋腱と短母指伸筋腱が腱鞘(腱が通るトンネル)と摩擦を生じることで炎症を起こし痛みが出る病気です。
腱は筋肉の両端に存在する骨と筋肉をつなげる組織です。
ド・ケルバン病の特徴として
- 手首や親指を使う動作で痛みが生じやすい
- 手の平を広げた際に痛みが出る
- 物を持った際に手首に痛みが出る
- 徒手検査法で限定した動きで痛みが出る
などがあります。ド・ケルバン病はオーバーユースやホルモンバランスが大きく関わってくる症状です。
料理人や美容師、楽器奏者など手首や指を長時間にわたって酷使する職業の方に罹りやすい【職業病】のようなものです。
また、妊娠・出産後のホルモンバランスの変化も大きくかかわってきます。
再発予防のためにも適切な治療が大切になります!
特に発症初期に適切な治療をしなかったり、痛いまま無理に動いていたり、
痛みが出ないようにかばう動作を⻑く続けていると他の場所を痛める原因となります。
また、症状が慢性化し治りにくくなってしまい最悪の場合手術という結果になってしまいます💦
ド・ケルバン病になりやすい時期
ド・ケルバン病は基本的には使い過ぎによる炎症のため好発する時期はありませんが、職業の繁忙期などによって変わります。
ただし、妊娠やホルモンバランスなどの関係から出産後や30~50代の女性は好発しやすい時期となります。
ホルモンによる“体への影響”
- プロゲステロンホルモンが出産後から減少します。※プロゲステロンは体内の組織を収縮させる効果があります
腱鞘を収縮させる(トンネルの穴が狭くなる)ため、腱と接触しやすくなり、腱鞘炎のきっかけとなります。
- リラキシンホルモンの分泌が低下してきます。 ※リラキシンは関節を緩める(固定力の低下)効果があります
関節の固定力が低下した状態で抱っこを続けると関節に負荷がかかり筋肉の負担が上昇し筋肉の末端に存在する腱が使い痛みにより炎症を起こします。
使い過ぎなどの症状には患部のマッサージや治療アイシングなどで安静を図ることが大切です。
また、身体が緊張している状態(交感神経優位時)は筋肉や腱の収縮によって痛みが出ることもあるためリラックスをすることが大切になってきます!
ド・ケルバン病の症状
ド・ケルバン病の症状としては、主に患部に痛みや炎症が見られます。
前腕骨の橈骨茎状突起部に痛みを感じることが多いです。
動作時痛、安静時痛があり日常的に痛みを感じる方が多いです。
日常的な家事で痛みがきつくなったりお仕事で手首を頻繁に動かすなど負担が多い際に痛みを強く感じます。
利き手に多いとかは無く日常的に負担が多い方に症状が出やすいです。
ドケルバン病の検査
【アイヒホッフテスト】
親指を持ち曲げるように筋肉を引っ張ると手首(橈骨茎状突起部)に痛みが出る。
【フィンケルシュタインテスト】
親指を中に入れ握り手首を小指側に曲げる(尺屈)と手首(橈骨茎状突起部)に痛みが出る。
これらのテストがド・ケルバンの徒手検査法になります。
ド・ケルバン病になりやすい原因
- 出産によるホルモンバランスの変化
- 疲労の蓄積
- 手首の反復動作
- 親指の反復動作
- 日常の負荷のケア不足
などがあります!
ド・ケルバン病になった時の注意点
症状が出て初期の場合
- 入浴などで⻑時間温めることはNGです!炎症を抑えるためアイシングをしましょう!
- テーピングなどで患部の負担を軽減しましょう!
- 痛みを耐えながら無理に動くことは避けましょう!
痛みが少し落ち着いてきたら
- 少しずつ筋肉や関節を動かしていきましょう!
- 痛みをかばう動きを少しずつ無くしていきましょう!
- 今までの動きに戻していきますが、少しずつ戻していきましょう!
ド・ケルバン病は慢性化するとなかなか痛みが取れにくくなってしまいます…
専門家に一度診て頂くことをおすすめします!
痛みが引いてきたら再発予防のための身体のケアをしていきましょう!
当院でのド・ケルバン病に対する施術
症状が出て初期の場合

- 痛みに対して<ハイボルテージ治療>
- 炎症症状に対して<マイクロカレント療法>
- 炎症症状に対して<アイシング>を行っていきます