関節水腫

関節水腫とは、関節内にある「関節液」が通常より多くたまった状態です。特に膝関節で多くみられ、一般には「膝に水がたまった」と表現されます。

関節水腫は病名ではなく、関節内で炎症や損傷が起きているサインの一つです。水を減らすことだけでなく、変形性関節症、半月板・靱帯損傷、痛風、感染症など、関節液が増えた原因を確認することが大切です。

 

こんなお悩みはありませんか?

  • ☑膝全体が腫れている

  • ☑膝のお皿が浮いているように感じる

  • ☑膝が重く、曲げ伸ばしにくい

  • ☑正座や深くしゃがむ動作ができない

  • ☑膝を曲げると圧迫感や張りを感じる

  • ☑スポーツや長時間歩いた後に腫れる

  • ☑転倒や捻挫の後から急に腫れてきた

  • ☑病院で水を抜いても再びたまる

  • ☑膝に熱感や痛みがある

  • ☑腫れによって太ももに力が入りにくい

  • ☑膝の引っかかりやぐらつきもある

  • ☑原因が分からないまま腫れを繰り返している

急激な腫れには、通常の関節液ではなく、関節内出血や感染による膿がたまっている場合もあります。自己判断で揉んだり温めたりしないようにしましょう。

 

症状の原因

変形性関節症

関節軟骨や半月板などの変性に伴って滑膜に炎症が起こると、関節液が増えることがあります。関節水腫を繰り返すと、痛みや可動域制限が目立つ場合があります。

日本整形外科学会でも、変形性関節症では関節炎に伴う痛みや腫れ、腫れによる動かしにくさが生じると説明されています。

半月板・靱帯・軟骨などの損傷

スポーツ中の捻りや転倒によって、半月板、前十字靱帯、関節軟骨などを損傷すると、関節内に炎症や出血が起こります。受傷後数時間以内に急激に腫れた場合は、前十字靱帯損傷、骨折、膝蓋骨脱臼などの可能性があります。

スポーツや仕事による負担

ランニング、ジャンプ、長時間の歩行やしゃがみ作業などによって、関節に繰り返し負担がかかると水腫が生じることがあります。ただし、単なる使いすぎと決めつけず、内部の損傷がないか確認する必要があります。

痛風・偽痛風

尿酸塩結晶やピロリン酸カルシウム結晶によって、急性の関節炎が起こります。膝が突然大きく腫れ、強い痛みや熱感を伴うことがあります。痛風発作は足の親指だけでなく、膝関節にも生じます。

関節リウマチ・感染症

関節リウマチなどの炎症性疾患でも関節水腫が生じます。また、細菌が関節内に侵入する化膿性関節炎では、短期間で関節軟骨が傷む可能性があるため、迅速な治療が必要です。

 

放置するとどうなるか?

関節水腫が軽度で原因となる炎症が落ち着けば、自然に吸収される場合もあります。しかし、原因となる外傷や病気を放置すると、痛みや腫れを繰り返す可能性があります。

腫れによって関節が動かしにくい状態が続くと、膝の可動域が低下し、太ももの筋肉にも力が入りにくくなります。膝をかばった歩き方によって、反対側の膝や股関節、腰へ負担が広がることもあります。

 

当院の施術方法

1.発症経過と症状の確認

外傷の有無、腫れ始めた時期、痛み、熱感、発熱、過去の水腫や病気などを確認します。急激な腫れや感染症が疑われる場合は、施術を行わず医療機関をご案内します。

2.運動器エコーによる観察

運動器エコーを使用し、関節液の貯留、滑膜の状態、腱・靱帯などを観察します。エコーは関節水腫の有無や経過確認に役立ちます。

ただし、エコーだけで水腫の原因や関節液の成分を確定することはできません。骨折、半月板・十字靱帯損傷、痛風、感染症などが疑われる場合は、整形外科でレントゲン、MRI、血液検査、関節液検査などを受けていただきます。

3.負担の調整と患部保護

炎症が強い時期は、スポーツや長時間歩行、深い屈伸などを一時的に調整します。必要に応じて圧迫、テーピング、サポーターなどを用います。

強い腫れがある関節に対して、無理な曲げ伸ばしや強いマッサージは行いません。

4.物理療法・手技

感染症や骨折などが否定され、施術が可能な場合は、ハイボルテージ、超音波などを状態に応じて使用します。太ももや股関節周囲には、関節へ負担をかけない範囲で手技を行います。

これらの施術は痛みや周辺組織の負担軽減を目指すもので、関節液を直接抜く処置ではありません。

5.運動療法と再発予防

腫れと痛みが落ち着いたら、関節の可動域や太もも、臀部の筋力を段階的に回復させます。歩行やスクワットなども確認し、関節に負担が集中しにくい身体の使い方を練習します。

 

よくある質問

Q.関節にたまる「水」とは何ですか?

体内の水分がそのままたまるのではなく、関節の動きを滑らかにする関節液です。炎症や損傷によって滑膜が刺激されると、通常より多く作られます。

Q.水を抜くと癖になりますか?

水を抜いたこと自体が原因で、癖になるわけではありません。原因となる炎症や損傷が続いていると、関節液が再び増えます。水を抜く処置と同時に、原因への治療が必要です。

Q.水がたまっているときは温めてもよいですか?

赤みや熱感、急激な腫れがある場合は温めないでください。慢性的な症状でも状態によって対応が異なるため、原因を確認してから判断します。

Q.水腫があっても運動できますか?

軽度で医師や施術者が可能と判断した場合は、負担の少ない運動を行うことがあります。運動後に腫れが増える場合や強い痛みがある場合は、運動量を調整する必要があります。

Q.サポーターで水腫は治りますか?

圧迫や膝の補助によって不快感が軽減することはありますが、原因疾患を治すものではありません。締めすぎると循環を妨げるため、適切なサイズと方法で使用します。