骨盤裂離骨折
骨盤裂離骨折は、主に成長期のスポーツ選手に発生する骨折です。「骨盤剥離骨折」と呼ばれることもあります。ダッシュやキック、ジャンプなどの瞬間に筋肉が強く収縮し、筋肉が付着している骨盤の一部が引っ張られて剥がれるように骨折します。
肉離れと症状が似ていますが、骨折の場合は適切な固定や運動制限が必要です。早期復帰を焦らず、画像検査による診断と段階的なリハビリを行うことが大切です。
こんなお悩みはありませんか?
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☑ダッシュした瞬間に骨盤や股関節周辺へ激痛が走った
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☑ボールを蹴ったときに「ブチッ」という感覚があった
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☑お尻や太ももの付け根が強く痛む
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☑痛くて脚を上げられない
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☑歩くと痛み、足を引きずってしまう
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☑痛みのある場所を押すと強く痛む
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☑骨盤周辺に腫れや皮下出血がある
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☑肉離れと思って休んでいるが、なかなか改善しない
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☑成長期でサッカーや陸上競技などをしている
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☑一度休むと軽くなるものの、競技を再開すると再び痛む
このような症状がある場合は、骨盤裂離骨折の可能性があります。痛みを我慢して競技を続けず、早めに状態を確認しましょう。
症状の原因
成長期の骨盤には「骨端線」と呼ばれる、骨が成長するための軟骨部分が残っています。この部分は筋肉や腱よりも力学的に弱いため、筋肉が急激に収縮すると、筋肉ではなく付着部の骨が引き剥がされることがあります。
特に発生しやすい部位と動作は次のとおりです。
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上前腸骨棘:ダッシュやスタート動作で、縫工筋・大腿筋膜張筋に強く引っ張られる
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下前腸骨棘:サッカーのキックやジャンプで、大腿直筋に強く引っ張られる
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坐骨結節:全力疾走、ハードル、開脚動作などで、ハムストリングスに強く引っ張られる
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腸骨稜:体幹を強くひねる動作などで、腹筋群や中殿筋の牽引力が加わる
柔軟性の低下、筋肉の疲労、急激な練習量の増加、不十分なウォーミングアップなどが重なると、発生リスクが高まる可能性があります。特にサッカー、陸上、野球、体操、バスケットボールなど、ダッシュ・キック・ジャンプを繰り返す競技では注意が必要です。
放置するとどうなるか?
骨盤裂離骨折を肉離れと思って競技を続けると、骨片のずれが大きくなったり、骨が癒合しにくくなったりする可能性があります。その結果、痛みが長期化し、筋力低下や股関節の可動域制限につながることがあります。
また、骨片が通常とは異なる位置で癒合する変形治癒や、骨がつながらない偽関節を生じると、座る・走る・蹴るなどの動作で痛みが残る場合があります。坐骨結節の損傷では、坐ったときの痛みや神経症状が問題になることもあります。
ただし、転位が小さい骨盤裂離骨折は、適切な安静とリハビリによって良好な回復が期待できるケースが多いとされています。骨片が大きい場合や転位が大きい場合、症状が残る場合には手術が検討されます。
当院の施術方法
1.受傷状況と症状の確認
痛みが出た動作、音や衝撃の有無、痛みの場所、歩行状態などを確認します。圧痛、腫れ、皮下出血、股関節の動きも、痛みを悪化させない範囲で評価します。
2.運動器エコーによる観察
必要に応じて運動器エコーを使用し、筋肉や腱、骨表面の状態を観察します。ただし、エコーだけで骨折を確定診断することはできません。骨盤裂離骨折が疑われる場合は、整形外科へ紹介し、レントゲン・CT・MRIなどの画像検査を受けていただきます。
3.応急処置と患部保護
受傷直後は競技を中止し、患部を保護します。痛みが強い場合は松葉杖などによる免荷も検討し、無理なストレッチや強いマッサージは行いません。
骨折に対する継続的な施術は、応急処置を除き、法令に基づいて医師の同意を得たうえで行います。
4.医師の指示に基づく施術・リハビリ
医師から施術の同意が得られた場合は、骨癒合の段階に合わせて物理療法や周辺筋への手技を行います。骨折部を強く押したり、骨片に牽引力が加わる施術を行ったりすることはありません。
5.段階的な競技復帰
歩行時痛がなくなった後も、すぐに全力運動へ戻すことはできません。股関節の可動域、筋力、片脚動作、ジョギング、ダッシュ、ジャンプ、キック動作などを順番に確認し、再発を防ぎながら競技復帰を目指します。
一般的には受傷後2~3か月頃が復帰の一つの目安ですが、骨折部位や転位、骨癒合の状態によって異なります。競技復帰は期間だけで判断せず、医師による画像評価と身体機能の回復を確認して決定します。
よくある質問
Q.手術が必要になりますか?
多くは保存療法が選択されます。ただし、骨片の転位が大きい場合、骨片が大きい場合、神経症状がある場合、保存療法でも痛みが残る場合などは手術が検討されます。
Q.痛みが軽くなれば練習してもよいですか?
自己判断での再開は避けてください。痛みが軽くなっても骨癒合が完了していないことがあります。早すぎる復帰は再転位や再受傷につながるため、医師の許可と機能評価が必要です。
Q.ストレッチはしたほうがよいですか?
受傷直後の強いストレッチは、骨折部を引っ張って症状を悪化させる可能性があります。状態を確認した上で適切なタイミングで実施していきます。
Q.スポーツ復帰までどれくらいかかりますか?
一般的には2~3か月程度が目安とされますが、骨折部位や転位、競技種目によって異なります。
Q.以前から少し痛みがあり、急に強くなった場合も裂離骨折ですか?
骨端部に繰り返し負担がかかる「骨端症」が先行し、その後の強い動作で裂離骨折を起こす場合があります。痛みが続いている成長期の選手は、我慢せず早めに検査を受けることが大切です。