シーバー病

シーバー病(踵骨骨端症)とは

シーバー病(Sever病)とは、成長期の子どもに発症するかかとのスポーツ障害です。正式名称は「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」と呼ばれます。成長期のかかとの骨には「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる軟骨部分が存在しています。この骨端線は大人の骨に比べて柔らかく、強い負荷に弱い特徴がありスポーツによるランニングやジャンプ、ダッシュ、急な方向転換などを繰り返すことで、アキレス腱や足底腱膜から強い牽引力が加わり、踵骨骨端部に炎症が発生します。特に8歳~15歳頃の成長期に多く発症し、サッカー・野球・バスケットボール・バレーボール・陸上競技などを頑張っているお子さまに多くみられます。骨折ではありませんが、放置すると長期間痛みが続き、スポーツ活動に大きな影響を及ぼすことがあります。

シーバー病が起こるメカニズム

成長期は骨が急速に伸びる一方で、筋肉や腱の成長が追いつかない時期があります。特にふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)やアキレス腱が硬くなると、かかとの骨を常に引っ張る状態になります。そこへ、練習量の増加、試合の連戦、急激な身長の伸び、身体の柔軟性低下などが重なることで、踵骨骨端部に過剰なストレスが加わり炎症が起こります。いわば「成長途中の骨にスポーツの負荷がかかり過ぎた状態」といえます。

このような症状はありませんか?

  • ・かかとを押すと痛い
  • ・運動中にかかとが痛くなる
  • ・ダッシュをすると痛む
  • ・ジャンプで痛みが出る

初期は運動後だけ痛みを感じますが、症状が進行すると歩行や階段の昇降でも痛みが現れるようになります。

シーバー病になりやすい子どもの特徴

スポーツ活動量が多い

シーバー病は、スポーツによる繰り返しの負荷が大きな原因となります。週に何日も練習があるお子さまや、サッカーと陸上、野球と水泳など複数のスポーツを掛け持ちしているお子さまは、かかとへの負担が蓄積しやすくなります。特に成長期の骨はまだ未成熟なため、大人と同じような練習量や試合数をこなすことで、踵骨骨端部に過剰なストレスが加わります。また、十分な休養が取れない状態が続くと組織の回復が追いつかず、炎症が慢性化することもあります。

身長が急激に伸びている

成長スパートの時期は、骨が急速に成長する一方で筋肉や腱の柔軟性が追いつかないことがあります。その結果、ふくらはぎの筋肉やアキレス腱が常に張った状態となり、かかとの骨を強く引っ張る力が発生します。特に数か月で身長が大きく伸びたお子さまは注意が必要です。「最近、急に背が伸びた」「以前より身体が硬くなった」というお子さまは、シーバー病を発症するリスクが高くなる傾向があります。

身体が硬い

身体の柔軟性が低下しているお子さまは、運動時の衝撃をうまく吸収できず、かかとへの負担が増加します。特に、アキレス腱やふくらはぎ(下腿三頭筋)、ハムストリングス、股関節周囲の筋肉が硬くなっている場合、走る・跳ぶ・着地するといった動作のたびに踵骨骨端部へ強い牽引力が加わります。また、身体が硬い状態ではフォームの乱れも起こりやすく、さらに負担が集中する悪循環につながります。

足のアーチ機能が低下している

足の裏には、地面から受ける衝撃を吸収する「アーチ構造」があります。しかし、扁平足や回内足(足首が内側へ倒れ込む状態)があると、このアーチ機能が十分に働かなくなります。本来分散されるはずの衝撃がかかとへ集中するため、シーバー病の発症リスクが高くなります。また、靴のかかとの減り方が偏っている、よくつまずく、長時間歩くと疲れやすい、といった特徴がみられることもあります。足部のアライメント異常は、シーバー病を繰り返す原因の一つになるため注意が必要です。

体幹機能が低下している

体幹は身体の土台となる重要な部分です。体幹の筋力や安定性が不足すると、走る・ジャンプする・着地するといった動作の際に身体の軸がぶれやすくなります。その結果、本来は全身で吸収するはずの衝撃が下肢へ集中し、かかとへの負担が増加します。特にスポーツを頑張っているお子さまでも、片脚立ちが苦手着地でふらつく、姿勢が崩れやすいといった特徴がある場合は、体幹機能の低下が隠れていることがあります。シーバー病の改善や再発予防には、かかとだけでなく体幹機能や全身の動作バランスを整えることも重要です。

当院で行う検査・評価

〇問診・触診

痛みが出始めた時期

  • スポーツ種目
  • 練習頻度
  • 練習時間
  • ポジション
  • 成長期の状況などを詳しくお伺いします。

踵骨骨端部の圧痛や熱感、腫脹の有無を確認します。

また、アキレス腱や足底腱膜の緊張状態も評価します。

〇可動域検査

  • 足関節、股関節、膝関節の柔軟性を確認し、身体のどこに問題があるのかを調べます。

〇動作分析

  • 歩行、ランニング、ジャンプ、着地、スクワットなどを確認し、スポーツ動作の中で負担がかかる原因を分析します。必要に応じて超音波画像観察装置(エコー)を用いて患部の状態を確認し、炎症の程度や周囲組織の状態を評価します。

当院での施術

急性期

炎症が強い時期は、

  • ・ハイボルト療法
  • ・超音波療法
  • ・アイシング指導
  • ・テーピング
  • ・運動量の調整を行い、まずは炎症の軽減を目指します。

回復期

 

痛みが落ち着いてきた段階では、

  • ・アキレス腱の柔軟性改善
  • ・ふくらはぎの筋緊張緩和
  • ・足関節可動域改善
  • ・股関節機能改善
  • ・骨盤バランス調整を行います。

再発予防

シーバー病は痛みが消えたから治ったわけではありません。

再発予防のため、ストレッチ指導、セルフケア指導、体幹トレーニング、バランストレーニング、正しい身体の使い方の指導を行います。

放置するとどうなる?

シーバー病は成長が終われば自然に改善することもありますが、痛みを我慢してスポーツを続けることで症状が長引く場合があります。また、走り方が変わる、膝や股関節に負担がかかる、パフォーマンスが低下する、他のスポーツ障害を引き起こすといった二次的な問題につながることもあります。

お子さまの踵の痛みは早めの対応が大切です

シーバー病は成長期のお子さまに多くみられるスポーツ障害ですが、早期に適切な処置を行うことでスポーツを継続しながら改善できるケースも少なくありません。当院では痛みの改善だけでなく、「なぜ痛くなったのか」「どうすれば再発を防げるのか」まで考えた施術を行っています。

お子さまのかかとの痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。