側副靭帯損傷

膝側副靱帯損傷でお悩みの方へ

膝側副靱帯損傷とは、膝の内側または外側を支えている靱帯が、強い力によって伸ばされたり切れたりするけがです。

内側にある「内側側副靱帯(MCL)」の損傷が多く、スポーツ中の接触、転倒、急な方向転換などで発生します。外側側副靱帯(LCL)の損傷は比較的少ないものの、ほかの靱帯や神経を同時に損傷している可能性があるため注意が必要です。

 

こんなお悩みはありませんか?

  • ☑スポーツ中に膝の外側から衝撃を受けた

  • ☑転倒して膝が内側または外側へ曲がった

  • ☑膝の内側・外側を押すと強く痛む

  • ☑歩行や階段で膝が痛む

  • ☑膝が腫れたり、皮下出血が出たりしている

  • ☑膝がぐらつく、力が抜けるように感じる

  • ☑横方向へ動くと膝に不安がある

  • ☑切り返しやターン動作ができない

  • ☑受傷時に「ブチッ」という音や感覚があった

  • ☑数日休んでも痛みが改善しない

  • ☑テーピングをしないと競技に復帰できない

受傷後に歩けていても、靱帯が部分的に損傷している可能性があります。痛みを我慢してスポーツを続けず、早めに状態を確認しましょう。

 

症状の原因

内側側副靱帯損傷

膝の外側から内側へ向かう力が加わり、膝が内側へ折れるような「外反ストレス」が生じることで損傷します。サッカー、ラグビー、バスケットボール、柔道、スキーなどで多くみられます。

軽度では靱帯が伸ばされた状態、中等度では部分断裂、重度では完全断裂を起こします。

外側側副靱帯損傷

膝の内側から外側へ向かう力が加わり、膝が外側へ開く「内反ストレス」によって損傷します。外側側副靱帯だけでなく、後外側支持機構、前十字靱帯、後十字靱帯、腓骨神経などを同時に損傷することがあります。

非接触動作による損傷

着地、急停止、方向転換などで膝が内側へ崩れた場合にも発生します。このような場合は、前十字靱帯や半月板の損傷を伴っていることがあるため、詳しい検査が必要です。

 

放置するとどうなるか?

軽度の内側側副靱帯損傷は、適切な保護とリハビリによって回復が期待できます。しかし、痛みを我慢して競技を続けると、損傷部へ繰り返し負担がかかり、治癒が遅れる可能性があります。

重度の損傷を放置すると、膝の横方向の不安定感が残り、切り返しや着地で膝が崩れやすくなることがあります。筋力低下や可動域制限が生じ、競技復帰が遅れる場合もあります。

また、前十字靱帯、後十字靱帯、半月板などの合併損傷を見逃すと、膝の不安定性や痛みが長期化する可能性があります。

 

当院の施術方法

1.受傷状況と膝の評価

どの方向から力が加わったのか、受傷時の音、腫れの出方などを確認します。圧痛、可動域、歩行、関節の安定性などを、痛みを悪化させない範囲で評価します。

急性期に不安定性を確認するため、無理に膝へ強いストレスを加えることはありません。

2.運動器エコーによる観察

必要に応じて運動器エコーを使用し、側副靱帯の連続性、腫れ、周辺組織などを観察します。受傷部を動かしながら観察できることも、運動器エコーの特徴です。

ただし、エコーだけですべての損傷を確定診断することはできません。骨折や前十字靱帯、半月板などの合併損傷が疑われる場合は、整形外科をご紹介し、レントゲンやMRI検査を受けていただきます。

3.急性期の保護

受傷直後は競技を中止し、患部を保護します。状態に応じて圧迫、挙上、テーピング、サポーターなどを用い、痛みが強い場合は松葉杖による免荷も検討します。

完全に動かさない期間を自己判断で長く続けると、筋力低下や関節のこわばりにつながるため、損傷度に合わせた管理が必要です。

4.物理療法・手技

状態に応じて、ハイボルテージ、超音波、マイクロカレントなどを使用し、痛みや腫れの軽減を目指します。手技は損傷した靱帯を強く押すのではなく、周辺組織の緊張や動きを確認しながら行います。

これらの施術によって、断裂した靱帯をその場で元通りにできるわけではありません。

5.段階的なリハビリ

痛みと腫れの状態を確認しながら、膝の曲げ伸ばし、大腿四頭筋、ハムストリングス、臀部の筋力トレーニングを段階的に行います。

その後、片脚立ち、スクワット、ランニング、ジャンプ、切り返しなどへ進みます。競技復帰は経過日数だけで決めず、痛み、腫れ、可動域、筋力、膝の安定性、競技動作を確認して判断します。

内側側副靱帯の単独損傷では保存療法が選ばれることが多い一方、複数靱帯損傷や強い不安定性がある場合には手術が検討されます。

 

よくある質問

Q.内側側副靱帯と外側側副靱帯は何が違いますか?

内側側副靱帯は膝の内側を、外側側副靱帯は膝の外側を支えています。内側側副靱帯損傷のほうが多く、外側の損傷では複数の靱帯や腓骨神経を同時に傷めていないか注意が必要です。

Q.歩ければ軽い損傷ですか?

歩ける場合でも部分断裂している可能性があります。歩行の可否だけでは重症度を判断できないため、圧痛、腫れ、不安定性などを確認します。

Q.手術が必要ですか?

内側側副靱帯の単独損傷は、重度であっても保存療法が選択されることがあります。ただし、複数靱帯損傷、骨からの剥離、不安定性が残る場合などは手術が検討されます。

Q.テーピングをすれば練習してもよいですか?

テーピングは膝を補助する方法であり、損傷を治したり安全を保証したりするものではありません。痛みや不安定感がある状態での競技継続は避けてください。

Q.いつからスポーツに復帰できますか?

損傷度や合併損傷によって異なります。軽度では比較的早く復帰できる場合がありますが、部分断裂や完全断裂では数週間から数か月かかることがあります。医師の診断と機能評価に基づいて判断します。

Q.痛みがなくなれば治っていますか?

痛みが軽くなっても、靱帯の強度や膝の安定性、筋力が十分に回復していない場合があります。切り返しやジャンプまで確認してから復帰することが大切です。