有痛性外脛骨障害

有痛性外脛骨障害でお悩みの方へ

外脛骨とは、足の内側にある舟状骨の近くに存在する「過剰骨」の一つです。生まれつきの骨の形態であり、外脛骨があっても多くの方には痛みがなく、治療も必要ありません。

成長期のスポーツや捻挫、靴の圧迫などをきっかけに、外脛骨周辺へ痛みが出た状態を「有痛性外脛骨障害」といいます。特に10~15歳頃のスポーツをする子どもに多くみられます。

 

こんなお悩みはありませんか?

  • ☑足の内側に骨の出っ張りがある

  • ☑出っ張りを押すと強く痛む

  • ☑走る、跳ぶ、蹴る動作で足の内側が痛い

  • ☑運動後に内くるぶしの前下方が腫れる

  • ☑靴が骨の出っ張りに当たって痛む

  • ☑つま先立ちをすると痛みが出る

  • ☑足首を捻った後から痛むようになった

  • ☑練習を休むと軽くなるが、再開すると痛む

  • ☑扁平足や土踏まずの低下が気になる

  • ☑痛くて足の内側に体重をかけられない

  • ☑足をかばって走るようになった

足の内側の痛みには、舟状骨骨折や疲労骨折、後脛骨筋腱障害などが隠れている場合もあります。痛む場所や発症経過を確認することが重要です。

 

症状の原因

☑成長期における骨の特徴

外脛骨は、舟状骨の内側にある副骨です。舟状骨と完全に一体化している場合もあれば、軟骨や線維性組織を介してつながっている場合もあります。

外脛骨が存在するだけでは病気ではありませんが、成長期には骨や付着部が負担に弱く、スポーツによる刺激で痛みが生じることがあります。

☑後脛骨筋腱による牽引

後脛骨筋腱は、ふくらはぎから内くるぶしの後方を通り、舟状骨周辺へ付着する腱です。走る、ジャンプする、切り返すなどの動作を繰り返すと、外脛骨部が引っ張られて炎症や痛みが生じる場合があります。

☑外反扁平足との関係

かかとが外側へ傾き、土踏まずが低下した外反扁平足を伴うことがあります。この状態では後脛骨筋腱へ負担がかかりやすくなりますが、扁平足があれば必ず痛むわけではありません。

☑靴の圧迫・足首の捻挫

スパイクや硬い靴が出っ張り部分へ当たることで痛みが出る場合があります。また、足首の捻挫などで外脛骨と舟状骨の結合部へ負担が加わり、無症状だった外脛骨が痛み始めることもあります。

 

放置するとどうなるか?

痛みを我慢してスポーツを続けると、外脛骨周辺の炎症が長引き、歩行や競技動作に支障が出る可能性があります。

痛みをかばうことで、足の外側へ偏った荷重になったり、足首・膝・股関節へ負担が広がったりする場合もあります。また、活動量が減ることで足部や下肢の筋力が低下することがあります。

一方、外脛骨があるだけで必ず悪化するわけではありません。多くは運動量の調整、靴の工夫、足底板、運動療法などの保存療法によって症状の改善が期待できます。

 

当院の施術方法

1.痛みと運動量の確認

痛みが始まった時期、スポーツ種目、練習量、捻挫歴、靴の種類などを確認します。外脛骨部の圧痛、腫れ、足部アーチ、かかとの傾き、歩行状態も評価します。

2.運動器エコーによる観察

必要に応じて運動器エコーを使用し、外脛骨周辺、後脛骨筋腱、腫れなどを観察します。

ただし、エコーだけで外脛骨の形態や骨折の有無を確定することはできません。有痛性外脛骨が疑われる場合や外傷後の痛みが強い場合は、整形外科をご紹介し、レントゲン検査を受けていただきます。必要に応じてMRIなどが行われます。

3.運動量と靴の調整

急性期は、痛みを誘発するランニング、ジャンプ、切り返しなどを一時的に調整します。出っ張りに靴が直接当たっている場合は、靴の幅や素材、紐の締め方などを見直します。

症状が強い場合は、医師の判断で装具や固定が必要になることがあります。

4.手技・鍼灸・物理療法

後脛骨筋、ふくらはぎ、足底などの緊張や柔軟性を確認し、患部へ強い刺激を加えない範囲で手技を行います。必要に応じて、ハイボルテージや超音波などを使用し、痛みの軽減を目指します。

施術によって外脛骨そのものを消したり、舟状骨と接着させたりすることはできません。

5.足底板と運動療法

必要に応じて足底板やテーピングを活用し、外脛骨部や後脛骨筋腱にかかる負担を調整します。

痛みが落ち着いた後は、足趾、足部、ふくらはぎ、臀部などの筋力や片脚バランスを改善します。その後、ジョギング、ジャンプ、切り返しなどへ段階的に進み、競技復帰をサポートします。

 

よくある質問

Q.外脛骨は異常な骨ですか?

外脛骨は生まれつきみられる骨の形態の一つで、病気そのものではありません。外脛骨があっても、痛みがなければ基本的に治療は必要ありません。

Q.成長すると自然に治りますか?

成長に伴って外脛骨と舟状骨が癒合する場合もありますが、成人後も残ることがあります。骨が残っていても、症状がなくなれば日常生活やスポーツに問題がないことも多くあります。

Q.外脛骨を押したり矯正したりすれば元に戻りますか?

手技で外脛骨を押し込んだり消したりすることはできません。運動量、靴、足底板、筋肉や動作へのアプローチによって、痛みと負担の軽減を目指します。

Q.スポーツを完全に休む必要がありますか?

痛みの程度によって異なります。痛みを誘発する動作は一時的に中止または調整しますが、痛みのない上半身運動などを行える場合もあります。

Q.足底板は必要ですか?

外反扁平足や靴の圧迫が負担になっている場合は、足底板が有効なことがあります。ただし、全員に同じ形の足底板が必要なわけではなく、足部と動作の評価に基づいて判断します。

Q.手術が必要になることはありますか?

多くは保存療法が第一選択です。十分な保存療法を行っても痛みが続く場合や、日常生活・スポーツへの支障が強い場合は、外脛骨の摘出などの手術が検討されます。