膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼でお悩みの方へ

膝蓋骨脱臼とは、膝のお皿である「膝蓋骨」が、本来収まっている大腿骨の溝から外れる外傷です。多くは膝蓋骨が外側へ脱臼します。

スポーツ中の方向転換や着地、転倒などで発生しやすく、10代を中心とする若い方に多くみられます。一度自然に戻った場合でも、骨や軟骨の損傷が隠れている可能性があるため、整形外科での検査が必要です。

 

こんなお悩みはありませんか?

  • ☑スポーツ中に膝のお皿が外側へずれた

  • ☑膝のお皿が外れたような感覚があった

  • ☑膝が変形して動かせない

  • ☑膝が急激に腫れてきた

  • ☑膝のお皿の内側を押すと強く痛む

  • ☑歩くと膝が抜けるように感じる

  • ☑膝のお皿が外れそうで怖い

  • ☑以前にも膝蓋骨が脱臼したことがある

  • ☑サポーターがないと運動するのが不安

  • ☑ジャンプや切り返し動作ができない

  • ☑脱臼は戻ったが、痛みや腫れが続いている

脱臼が自然に戻ると、その場では痛みが軽くなることもあります。しかし、脱臼時に膝蓋骨や大腿骨の軟骨が欠ける「骨軟骨損傷」を伴う場合があります。

 

症状の原因

スポーツ中の非接触動作

足を地面につけた状態で急に方向転換したときや、ジャンプ着地で膝が内側へ入ったときに、膝蓋骨が外側へ脱臼することがあります。サッカー、バスケットボール、バレーボール、体操などで発生します。

転倒・接触による外力

膝の内側から膝蓋骨へ直接衝撃を受けた場合にも、外側脱臼が起こります。

身体の構造的な要因

大腿骨の溝が浅い、膝蓋骨の位置が高い、脚の配列、関節のゆるさなど、生まれつきの形態や体質が関係する場合があります。反対側にも脱臼歴がある方や家族に同様の症状がある方は、再発リスクを詳しく評価する必要があります。

内側の支持組織の損傷

膝蓋骨が外側へ外れる際に、内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)など、膝蓋骨を内側から支える組織が損傷します。これにより、脱臼後も不安定感が残ることがあります。

 

放置するとどうなるか?

脱臼した膝蓋骨をそのままにすると、強い痛みや腫れが続き、神経や血管などに影響する可能性があります。脱臼した状態が戻らない場合は、速やかに救急外来または整形外科を受診してください。

自然に戻った場合でも、骨軟骨骨折や関節内遊離体を伴っていることがあります。欠けた骨軟骨片が関節内に残ると、引っかかりやロッキング、軟骨損傷の原因になるため、画像検査が必要です。

また、適切なリハビリをせずに復帰すると、膝蓋骨脱臼を繰り返す「反復性膝蓋骨脱臼」へ移行する可能性があります。再発を繰り返すと不安感が強くなり、スポーツや日常生活に支障をきたすことがあります。

初回脱臼ではレントゲンが基本となり、骨軟骨損傷や遊離体の確認にはMRIが有用です。

 

当院の施術方法

1.脱臼直後の対応

膝蓋骨が外れたままの場合は、無理に歩いたり自分で押し戻したりせず、膝を動かさないようにしてください。当院へ来院された場合も、状態を確認して必要な応急処置を行い、速やかに整形外科へご紹介します。

脱臼が自然に戻っていても、初回は整形外科でレントゲンなどの検査を受けていただきます。

2.受傷状況と膝の評価

脱臼時の動作、自然に戻ったか、過去の脱臼歴などを確認します。腫れ、圧痛、可動域、歩行状態を評価しますが、急性期に膝蓋骨を外側へ強く押すような検査は行いません。

3.運動器エコーによる観察

必要に応じて運動器エコーを使用し、関節水腫、内側支持組織、膝蓋腱などを観察します。ただし、エコーだけで骨軟骨損傷や関節内遊離体を否定することはできません。

レントゲンやMRIが必要と判断した場合は、整形外科をご案内します。

4.医師の方針に沿った施術

画像検査後、手術を必要としないと判断された場合は、医師の固定・荷重指示に従って施術を行います。状態に応じてハイボルテージ、超音波などを用い、痛みや腫れの軽減を目指します。

手技は損傷部を強く押すものではなく、太ももや股関節周囲の筋緊張に配慮して行います。

5.再発予防と競技復帰

痛みと腫れが落ち着いたら、膝の可動域、大腿四頭筋、臀部、体幹の筋力を段階的に回復させます。その後、片脚立ち、スクワット、ジャンプ、着地、切り返しへ進みます。

競技復帰は期間だけで決めず、痛みや腫れがないこと、可動域、筋力、片脚動作、膝蓋骨への不安感などを確認して判断します。

初回脱臼で大きな骨軟骨損傷がなければ保存療法が基本ですが、骨軟骨骨折や反復性脱臼がある場合は手術が検討されます。

 

よくある質問

Q.自然に戻った場合も病院へ行く必要がありますか?

必要です。見た目が戻っていても、骨軟骨骨折、関節内遊離体、靱帯損傷などが残っている可能性があります。特に初回脱臼では画像検査を受けましょう。

Q.必ず手術が必要ですか?

初回脱臼で大きな骨軟骨損傷がない場合は、固定や装具、運動療法などの保存療法が選択されることが多くあります。反復性脱臼や大きな骨軟骨損傷がある場合は手術が検討されます。

Q.サポーターを着ければ再発しませんか?

サポーターは不安感や外側への動きを補助しますが、再発を完全に防ぐものではありません。筋力、着地動作、身体の構造的要因なども確認する必要があります。

Q.どのくらいでスポーツ復帰できますか?

損傷状態や競技によって異なります。初回脱臼の保存療法では数か月を要することがあります。筋力や競技動作が十分に戻る前の復帰は、再発リスクを高める可能性があります。

Q.一度外れると癖になりますか?

必ず繰り返すわけではありませんが、若年者、関節のゆるさ、大腿骨の溝の形態などによって再発しやすい場合があります。適切な評価とリハビリが重要です。