野球肘(離断性軟骨炎)

野球肘(離断性骨軟骨炎)

野球肘とは、投球動作の繰り返しによって肘に起こる障害の総称です。そのなかでも、成長期の野球選手に注意が必要なのが「上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)」です。

「離断性骨軟骨炎」とは、肘の外側にある軟骨とその下の骨が傷つく病気です。初期には痛みがほとんどないこともあるため、早期発見が非常に重要です。

 

こんなお悩みはありませんか?

  • ☑ボールを投げると肘の外側が痛い

  • ☑投球後に肘の痛みや違和感が残る

  • ☑肘の曲げ伸ばしがしにくい

  • ☑肘が最後まで伸びなくなってきた

  • ☑投球時の球速やコントロールが落ちている

  • ☑以前より遠投ができなくなった

  • ☑肘を動かすと引っかかる感じがする

  • ☑肘の中で音が鳴ることがある

  • ☑痛みがないため、そのまま練習を続けている

  • ☑チームの肘検診で異常を指摘された

  • ☑休むと楽になるが、投球を再開すると痛くなる

  • ☑成長期の子どもが肘の違和感を訴えている

このような症状がある場合は、単なる筋肉疲労ではなく、骨や軟骨を損傷している可能性があります。

 

症状の原因

上腕骨小頭離断性骨軟骨炎は、主に成長期の野球選手に発生する外側型の野球肘です。投球動作では、肘の外側にある上腕骨小頭と橈骨頭が繰り返し衝突し、骨や軟骨に圧迫力が加わります。

成長期の骨や軟骨はまだ発達途中であるため、投球数の増加、連日の練習、疲労が残った状態での投球などが続くと、上腕骨小頭の軟骨とその下の骨が傷つくことがあります。投球フォームだけでなく、肩甲骨や股関節の動き、体幹機能、下半身の柔軟性などの問題によって肘への負担が増している場合もあります。

ただし、投球負荷だけでなく、上腕骨小頭の血流など身体内部の要因も関係すると考えられており、「投げ方が悪いことだけ」が原因とは限りません。

初期には痛みや動きの制限がほとんどなく、自覚症状が出た時点では病変が進行していることもあります。超音波画像観察は、症状の少ない段階で異常を見つけるために有用と報告されています。

 

放置するとどうなるか?

投球を続けて病変が進行すると、傷ついた骨軟骨が周囲から分離し、不安定になることがあります。さらに進むと、骨軟骨片が関節内に剥がれ落ちて「関節遊離体(関節ねずみ)」となる場合があります。

その結果、肘が完全に伸びない、曲がらない、動かすと引っかかる、突然動かなくなるなどの症状が現れます。変形性肘関節症へ進行し、将来的にも痛みや可動域制限が残る可能性があるため、痛みを我慢して投げ続けてはいけません。

 

当院の施術方法

当院では、痛みが出た時期や場所、投球数、練習時間、ポジション、連投の有無などを詳しく確認します。肘の圧痛や曲げ伸ばしだけでなく、肩・肩甲骨・体幹・股関節・下半身の柔軟性や投球動作も評価し、肘へ負担が集中している原因を調べます。

必要に応じて超音波画像観察装置(エコー)を使用し、上腕骨小頭の骨軟骨表面などを観察します。ただし、エコーだけで離断性骨軟骨炎の病期や治療方針を確定することはできません。異常が疑われる場合は投球を中止し、整形外科をご紹介します。

整形外科で保存療法の方針となった場合は、医師の指示に沿って経過を確認します。肘に対する物理療法だけでなく、肩関節や肩甲骨、胸郭、体幹、股関節などの機能改善を行い、投球時に肘へ集中している負担の軽減を目指します。

病変の修復が確認されていない段階で、自己判断による投球再開は行いません。医師と連携しながら、段階的な運動・投球プログラムを実施し、再発予防までサポートします。

 

よくある質問

Q.肘が痛くなければ投げ続けても大丈夫ですか?

痛みがないから問題がないとは限りません。離断性骨軟骨炎は、初期には自覚症状がほとんどない場合があります。肘検診やエコーで異常を指摘された場合は、痛みがなくても投球を中止し、整形外科で精密検査を受けることが大切です。

Q.肘の内側が痛い野球肘とは違いますか?

異なります。成長期に多い内側型野球肘は、肘の内側の骨端軟骨や靱帯付着部などが傷つく障害です。離断性骨軟骨炎は主に肘の外側にある上腕骨小頭に発生します。ただし、両方が同時に起きている場合もあるため、痛む場所だけで自己判断はできません。

Q.整骨院のエコーで分かりますか?

エコーは上腕骨小頭の骨軟骨表面を観察でき、早期発見のためのスクリーニングに有用です。一方、確定診断や病期の判定には、医師の診察とレントゲン、MRI、CTなどが必要です。当院では異常が疑われた場合、速やかに整形外科へご紹介します。

Q.どれくらい休めば投球できますか?

必要な休止期間は、病期や骨の成熟度、修復状態によって大きく異なります。痛みがなくなっただけでは投球再開の基準になりません。画像検査で病変の修復を確認し、医師の許可を得たうえで段階的に復帰します。

Q.手術が必要になりますか?

早期で病変が安定している場合は、投球を中止する保存療法によって修復が期待できます。しかし、病変が分離して不安定になっている場合や、関節遊離体、ロッキング、強い可動域制限がある場合は手術が検討されます。治療方法は年齢や病期、病変の大きさなどから医師が判断します。

Q.バッティングや守備練習はできますか?

病変の状態によって異なります。バッティングや送球を伴わない練習でも肘に負担がかかることがあるため、自己判断で続けるのは避けましょう。医師の指示を確認し、肘に負担をかけない下半身トレーニングなどへ内容を調整します。